環境にやさしいケミカルレスCTPへ移行しました。

SDGs

この度コスモプリンツでは『ケミカルレスCTPへ移行しました。
ケミカルレスCTPとは、印刷に必要な「」を作る際に発生していた有害な現像液を使用しないことで、環境への負荷を大幅に削減できる、無現像処理刷版機のことです。

CTP(シーティーピー)とは?

CTPとは、コンピューター・トゥ・プレート(Computer To Plate)の略で、印刷に必要な「版(はん)」を作る機械のことです。

印刷と聞くと、インクを紙に吹き付ける「インクジェットプリンター」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?こちらは一般家庭や、企業の事務備品でよく見るプリンターですね。

しかし多くの印刷会社では、100部…10,00部…10,000部単位といった膨大な枚数を印刷するため、「オフセット印刷」という、「版」を使用した印刷方式が一般的です。

オフセット印刷の詳細については今回のブログでは割愛しますが、印刷会社が印刷をする際には、この「」が必要不可欠になってきます。
そして、その「」を作る機械がCTPというわけなんですね。

そもそも「版(はん)」ってどんなもの?

「版」を近くで見てみると、大きな金属製の板だということがわかります。成人男性と比べてみても、かなりの大きさなのがわかりますよね!(写真参照)

実際の印刷工程では、この大きな板に凹凸をつけることで、インクが付くところとそうでないところを指定します。

イメージとしては、消しゴムハンコの原理になります。インクがつく範囲や形によって、文字や写真を表現していく…その消しゴムの役目を果たしているのが「版」なんです!

従来のCTPの「版」の作り方

では、金属の板にどうやって凹凸をつけているのでしょうか?
実は、昔の写真フィルムと同じような、「現像」の処理をしているんです。

あらかじめ感光液を塗布した版に、光や熱で画像を書き込んだ後、アルカリ性の薬品を使用して凹凸をつけ、水で薬品を洗い直す工程が必要になります。
そのため、版を現像する度に、大量の水と、有害な薬品が混ざった廃液が発生していました。

ケミカルレスCTP、今までとの違い

ケミカルレスCTPとは、新たに開発された「版」を使用することで、現像処理が不要になる刷版方式です。
それはつまり、現像処理のために発生していた2つの環境負荷がなくなることを意味しています。

  • 廃液(有害な薬品が混ざった廃棄液がゼロに
  • 水の消費を抑えられる

薬品を使用せず、その薬品を洗い流す水も不要になるため、環境負荷を低減できるといった大きなメリットがあるんですね!
薬品が不要……つまり、ケミカル(化学物質)レス!この名称はこういった理由があるからなんです。

また実際の印刷物を見ても、今までのものと品質差はみられません。

印刷会社が目指すサステイナブル

以前より印刷業界は環境問題に関して様々な対策や取り組みを行ってきました。
コスモプリンツでも大豆インキを使用したり、レイクパピルスを提案するなど、社会から信頼される企業をめざし、環境負荷低減活動を積極的に取り組んでいます。

これからも印刷会社として何ができるかを考え、環境問題に取り込んでいきます。