印刷会社から見たChatGPT|コスモプリンツ

豆知識

こんにちは! 埼玉県行田市にある印刷会社、コスモプリンツです。

今回は去年から爆発的に話題になっている「ChatGPT」について触れてみたいと思います!

ChatGPTについては、その使い方や注意点などは既に多くのブログ記事や情報が公開されていますが、このブログでは、印刷会社に務める筆者から見たChatGPTについて書いていきたいと思います!

※執筆現在はChatGPTの無料版のみを使用しています
※このブログは2023年4月現在の情報をもとに書かれています
※この記事は筆者個人の解釈に基づいており、会社の公式見解とは異なる場合があります

ChatGPTとは?

人工知能技術の一つであるChatGPTとは、対話型のAIチャットサービスです。AIがさまざまな言語で入力された言葉を理解し、会話形式でやりとりをすることができます。

開発元はOpenAIというアメリカ、サンフランシスコにある企業。OpenAIは人工知能の研究や開発をしており、AIの中でも、特に会話ができるAIの開発に力を入れています。

印刷会社から見たChatGPT

様々な業種に影響を与えているChatGPTですが、印刷会社から見ても非常に優秀なツールです!

具体的には……

  • 企画提案に対しての情報収集やアドバイス、アイディア出し
  • デザインへのアドバイス、アイディア出し
  • キャッチコピーのアイディア出し
  • 広告文のアイディア出し
  • ブログの文章のアイディア出し など

これは企画者や作業者たちが時間をかけて行っていたことが数十秒〜数分の間で行われるため、うまく使うことができれば生産性が非常に上がります。

ただし!求めているアイディア(回答)を得るための質問には、コツが必要です!
これはほとんどの関連情報でも言われていることですね。

またChatGPTは、文章を生成する際に学習した膨大なデータから回答するため、市場トレンドなどの情報を収集することができます。これにより、よりニーズに沿った商品の提案やマーケティング戦略の立案が可能となります。

しかし、全てのことをChatGPTに任せることはできません。
人間の感性や経験による判断、そして情報の精度(その情報が正しいか間違っているかという判断)という点では、AIは人間に勝つことができないからです。

これからAIの発達に伴い、それを監督・判断する人間の手は不可欠になっていきます。

ChatGPTをうまく使うには、アイディア出しや情報収集に役立てつつ、人間の目や手を加えて整えてあげることが重要です!

活用例

ここで先ほども少し触れた、ChatGPTでできることについてご紹介します!
今回は「印刷会社から見た活用例」に絞ってみていきたいと思います。

提案のアイディア収集・整理

ChatGPTは大量のデータを学習することで、様々な分野における知識を蓄積しています。これを活用することで、新しいアイディアを生み出すことができます。
例えば、新商品の提案や、販促企画のアイディア出しに利用することができます。

キャッチコピー案、広告文、ブログの文章、メール文章の作成

ChatGPTは与えられたキーワードや文章を基に、自動で文章を生成することができます。これらの文章を毎回手作業で作成するのは非常に手間がかかるため、ChatGPTに代わりに文章を考えてもらうことでその分の作業時間を他に回すことができます。
実際にこのブログ記事でも、ChatGPTから得た回答に手を加えて、本文として採用しています! ChatGPTの紹介記事をChatGPTで書いていることになりますね(笑)

ブレインストーミング

印刷会社では企画や提案がとても重要になってきます。そのため、お客様の要望に応えるために、何人かでミーティングをすることもあります。
しかし集まるための手間や時間などのコストという点で、ChatGPTと個人の間で情報収集やブレインストーミングができれば、手間やコストを削減した上で、より多くのアイディア出しができます。

情報収集・マーケティング調査

ChatGPTでは、市場やトレンドなどの情報収集ができます。この機能を活用して、より効果的なマーケティング調査を行うことができます。
例えば、「顧客が求めているもの」や、「競合他社の商品」に関する情報を収集し、それをもとに自社商品の改善や、新商品の開発などアイディア出しをすることができます。

その他

この他にも使い方によってはさまざまなことができるでしょう。
特に、他のサービスやツールを組み合わせ、全く新しいツールができることから、IT系のニュースサイトやSNSでそれらが次々と発表されています。

業務で使用する際の注意点

さて、大変便利なChatGPTですが、既にいくつか述べているように特徴や弱点、使用する上での注意点があります。今回は、業務で使用する場合を考え、ポイントを上げていきます。

2021年までの情報しか拾えない

ChatGPT(GPT-3.5)はトレーニングデータと言われる、膨大な情報をもとに回答をしています。このトレーニングデータは2021年までのものであり、2021年以降の最新の情報については、正確な情報を提供できない可能性があります。

そのため、「今年発売されて話題になった、〇〇について教えて」というと「情報がありません」と回答されます。

また、回答内容は全て2021年までのインターネットから収集し、まとめたものなので、ChatGPTはいわば〝過去の遺産を効率的にまとめあげるツール〟です。なので、今までにない新しい画期的なアイディアを出力させることはできません。

誤った情報を生成する可能性がある

情報の精度について前述でも触れましたが、ChatGPTは学習に用いたデータをもとに文章を生成するため、時に誤った回答をすることがあります。そして、その情報が正しいか間違っているかという判断はしてくれません。

例えば、自分が今いる場所の近隣の飲食店について尋ねても、実在しない店舗や全く別の地域の店舗情報を差し出してきたりもするのです。

そのため、生成された文章が正しいかどうかは、常に確認するようにしましょう。

プライバシーや機密情報の扱いに注意する

ChatGPTは、学習データを元にして文章を生成するため、入力された情報がOpenAIに送信されることがあります。そのため、機密性の高い情報は入力しないように注意しましょう。

とは言っても、OpenAI側でユーザーの個人情報を収集、保存することはありません。あくまでもChatGPTのトレーニング用データを収集しているのみで、これらのデータは匿名化され、個人情報は含まれていないようです。

しかしそれでも、ChatGPTはあくまで機械的なアルゴリズムによって動作しているため、企業や団体の機密情報や個人情報については入力しないようにしましょう。
実際にあの大手企業Amazonでは、自社の機密情報を入力しないよう、社員に制限をかけたという事例があります。

あくまでもAIなので、コミニュケーションが完璧ではない

ChatGPTは人工知能によって会話(回答)を行うため、対人間同士のように、言葉の節々にある微妙なニュアンスや雰囲気を拾ってはくれません。そのため、人であれば言わずとも理解できるような説明でも正しく理解できない場合が多々あります。
求めていたものでない回答が返ってくることもしばしばあるため、AIが質問を正しく把握できるよう、利用者はできる限り明確な質問をする必要があります。

利用が職場のルールに反しないか確認をする

これだけ話題になったこともあり、企業によっては業務上の利用を制限する会社や、ChatGPTの使用自体を禁止する会社も出てきました。有名な例としてはAmazonの社員への制限利用があります。
企業や職場ごとに定められているルールに抵触しないか、あらかじめ確認や注意をすることも重要です。

非常に便利なChatGPTですが、業務で使用する際はこれらのことに注意しながら使うようにしましょう!

ChatGPTは印刷会社やデザイナーの仕事を奪うか?

ChatGPTが普及することで、ライターや翻訳者、その他いくつかの仕事がなくなると言われています。

今回は「印刷会社から見たChatGPT」という記事なので、印刷物やデザインをする上で関係のある職業についていくつか書いてみたいと思います。

※こちらの見解は、2023年5月時点のものです

ディレクター、プランナー

印刷物のディレクションや、企画を提案する職業です。弊社ではパンフレットやカタログ、WEBサイトの展開などを担当することが多いです。
ディレクション業務やプランニングにChatGPTを活用する場合、前述の「活用例」にあったように企画のアイディア出しやブレインストーミングに非常に便利です。

しかしクリエイティブ色が強い業務においては、顧客とのコミニュケーションが重要となってくるため、ChatGPTで完結する仕事とは言えません。

結論:AIでは対面での顧客対応ができない。

デザイナー・DTPオペレーター

印刷物のデザイン、印刷物のデータを作成する仕事です。中には写真補正や文字打ち、WEBサイトのデザインやバナー作成など、紙の印刷には限定されません。

しかしここでおさらいするのは、ChatGPTは文章生成ツールであり、デザインの作成までは行えません。よってこれも人の手が不可欠です。

結論:デザインまでは自動生成できない。

ライター

キャッチコピーや印刷物の文章を作成する仕事です。
クライアント企業からの要望や指示をもとに、記事の内容やターゲットに応じたトーン、文章の構成やレイアウトなどを考慮して文章を作成します。その際には、企業の商品やサービス、ブランドイメージなどについても深く理解し、適切に表現することが重要です。

ChatGPTにライティングをさせる場合、ネックになってくるのがこのクライアントからの要望や、状況の背景などのニュアンスを感じ取れないことです。それらを全て明文化してChatGPTに説明するのは、これはこれで手間がかかってしまいます。

結論:素人が引き出させるのは厳しい。ただし、知識やスキルがある人が使えば時短ツールになる。

翻訳

別言語へと訳す仕事です。英語、日本語、中国語など、多言語の印刷物を作成する時には必須の工程です。

ChatGPTでも、翻訳をすることができます。特に素晴らしい点は、口調の指定や、文体の調整などができる点です。これは日本語での回答でも言われていることですね。

ただし、翻訳の精度を見てみるとGoogle翻訳などと同レベル。正式な文書であったり、論文などの印刷物に用いるのであれば、やはり人の手による翻訳が求められます。

結論:簡単な翻訳であれば使える。ただし精度はGoogleの翻訳レベル。

校正

校正・校閲の仕事に関してはこちらで詳しく説明しています。
簡単に言ってしまえば、間違いがないか確認する工程です。

しかしここで挙がってくる問題は、前述でご紹介した「ChatGPTの情報の精度」です。時に誤った回答をすることがあるChatGPTは、校正・校閲に向いているツールとは言えません。

ただし、ちょっとした間違いや確認であれば有用です。これはネット検索と同じ要領ですね。

結論:誤った情報を生成することがあるため、向かない。

印刷

印刷機を扱うオペレーターには技術が求められます。それは人の目や判断によるものが多く、職人技といっても過言ではありません。機械操作の知識だけではなく、その日の天候や気温・湿度など、あらゆる状況に応じてインクや紙、機械の出力を微調整することが求められるのです。

これらを全て自動化することは性能や費用面からも難しく、AIに全てのオペレートを任せられるのはまだまだ遠い未来の話です。

結論:物理的な人の手と判断が必要なので向かない。

結論

ChatGPTが印刷会社やデザイナーの仕事を奪うか?という疑問に対しては、「まだその域ではない」と言えます。

これは私たち印刷会社が仕事を失いたくないという理由から出た結論ではなく、実際に業務に使えるかどうかを試してみてわかった結果です。とても便利ではありますが、人間が行うクリエイティブな仕事まではあと10歩ほど足りないんです。

広告や印刷物を制作する上で、クライアントの意向を汲み取るためには、知識と経験、そしてコミニュケーションが求められます。また知識を組み合わせる創造性や独創性は、やはり人間の手でしか生み出せません。

また、ChatGPTは単純作業やアイディア出しを得意分野としてはいますが、AIで出力したその成果も、結局は人の目や手による確認が必要です。
これは数ヶ月間、広報やデザイン業務に取り入れてみた筆者も実感しています。

ただし!

現在多く普及している無料版「GPT-3.5」からアップデートされた有料版「GPT-4」が発表されたように、これからどんどん性能が進化していくようです。
将来的には、今以上にできることが増えていくのは確実だと思われます。

さいごに

印刷会社から見たChatGPTについて書いてみました!
今回この記事を書いてみようと思ったのは、ChatGPTの出現で自分たちの業務に及ぼす影響の良い悪いを、少しでも理解したい&して欲しいと思ったからです。

既出の情報に加え、独自の解釈も大いに含まれていますが、実際の現場でChatGPTを使ってみた体感などをまとめてみました。同じ印刷業界や、同系列の業種の方、ChatGPTの使い方に悩んでいる方などの参考になれば嬉しいです。

また冒頭にもありましたが、今回は無料版のChatGPTのみを使用した体感から書かれた記事です。今後大幅にアップデートが行われたり、有料版を導入した際は、それについても書いてみたいと思っています。

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